看護師の履歴書は、一般的な様式に沿って書けば形にはなります。ただし資格欄と職歴欄の書き方次第で、伝わる情報量が大きく変わります。同じ5年の経験でも、診療科と病床数が書かれているかどうかで、採用側が受け取る印象はまったく違います。この記事では、看護師特有の記入項目を中心に、項目別の書き方を解説します。
この記事のポイント
- ✓職歴欄には勤務先名だけでなく、診療科・病床数・配属を書く
- ✓資格は「看護師免許」と正式名称で、取得年月とともに記載する
- ✓認定看護師・専門看護師・特定行為研修修了は必ず書く
- ✓ブランクは隠さず、その間に何をしたかを添える

看護師の履歴書で差がつく3か所
履歴書の基本的な書き方は他職種と変わりません。看護師で特に重要になるのは次の3か所です。ここが具体的かどうかで、書類の通過率が変わります。
力を入れる3か所
- ✓職歴欄:勤務先の規模と配属先の診療科まで書く
- ✓免許・資格欄:正式名称と取得年月。研修修了歴も漏らさない
- ✓志望動機欄:応募先の理念と自分の看護観の接点を1つ書く

職歴欄の書き方
「○○病院 入職」だけでは、どんな環境で何をしてきたかが伝わりません。履歴書の職歴欄は行数が限られるため、勤務先名に続けて配属と規模を簡潔に添えます。
記入例
- ・2019年4月 医療法人○○会 ○○病院 入職(一般病床250床)
- ・ 消化器内科病棟に配属(急性期40床・3交替)
- ・2022年4月 同院 外来部門へ異動
- ・2026年3月 一身上の都合により退職
- ・2026年4月 現在に至る
書ききれない場合は職務経歴書へ
履歴書の職歴欄は行数が限られます。看護方式、夜勤回数、リーダー経験、委員会活動などは職務経歴書に詳しく書いてください。履歴書には勤務先・病床数・配属診療科までを書き、詳細は職務経歴書に譲るのが現実的な分担です。
異動が多い場合
同一法人内での異動は、法人名を繰り返さず「同院」「同法人○○病院へ異動」とまとめると行数を節約できます。転職ではないことが明確に伝わるので、転職回数が多いという誤解も防げます。
免許・資格欄の書き方
看護師免許は正式名称で、取得年月とともに記載します。あわせて、持っている資格や修了した研修を漏らさず書いてください。書き忘れて評価を落としている応募者が少なくありません。
資格欄で気をつけること
- ・略称で書かない(「ナース免許」などは不可)
- ・認定・専門看護師は分野名まで書く
- ・研修修了歴も記載する(対応できる業務の幅が伝わる)
- ・取得予定のものは「2026年10月 ○○資格 取得見込み」と書ける
| 区分 | 記載例 |
|---|---|
| 看護師免許 | 2019年4月 看護師免許 取得 |
| 准看護師免許 | 2015年3月 准看護師免許 取得 |
| 認定看護師 | 2024年6月 認定看護師(皮膚・排泄ケア)認定 |
| 専門看護師 | 2023年12月 専門看護師(がん看護)認定 |
| 特定行為研修 | 2025年3月 特定行為研修(呼吸器関連)修了 |
| その他 | 2024年5月 BLSプロバイダー 取得 |
免許番号は書くべきか
応募先から指定があった場合に記載してください。指定がなければ、取得年月と正式名称で十分です。免許番号は入職手続きの段階で免許証の原本とあわせて確認されるのが一般的です。指定がないのに書いても減点にはなりませんが、必須ではありません。
証明写真
看護師の応募でも、写真の基本は他職種と同じです。3か月以内に撮影したもので、サイズは縦40mm×横30mm。服装はスーツが無難です。白衣で撮る必要はありません。
履歴書
縦40 × 横30mm
パスポート
縦45 × 横35mm
運転免許
縦30 × 横24mm
ブランクがある場合の書き方
出産・育児・介護・体調などで現場を離れた期間は、隠さずに書きます。経歴を見れば空白は分かりますし、隠すと不信感につながります。大事なのは、その間に何をしたかを添えることです。
記入例
- ・2023年3月 出産のため退職
- ・2023年4月〜2026年6月 育児に専念
- ・ この間、○○県看護協会の復職支援研修を受講(2026年5月)
- ・2026年7月 現在に至る
書いておくと安心される3点
受講した研修名、学び直した具体的な項目、勤務可能な時間帯や夜勤の可否。この3つが書かれていると、採用側は受け入れ後の姿を具体的に想像できます。「頑張ります」という意欲より、この3点のほうがはるかに効きます。本人希望欄に勤務条件を書いておくのが自然です。

本人希望欄の使い方
看護師の場合、この欄は勤務条件を伝える実用的な場になります。空欄にせず、必要な条件があれば具体的に書いてください。
記入例
- ・特になし → 「貴院の規定に従います」
- ・夜勤の可否 → 「夜勤対応可能です(月4回程度を希望します)」
- ・時短勤務 → 「保育園の送迎のため、9時〜16時での勤務を希望いたします」
- ・配属希望 → 「これまでの経験を活かし、内科系病棟を希望いたします」
条件を隠さない
夜勤ができない、時短が必要といった条件は、書かずに入職してから伝えるとトラブルになります。書類の段階で明示したほうが、条件の合う職場と出会えます。条件を書いたことで落ちる職場は、もともと合わない職場です。
看護師の履歴書でやりがちなNG
避けたいNG
- ✕職歴に病院名しか書かない → 病床数・診療科がないと経験の中身が伝わらない
- ✕資格を略称で書く → 正式名称で。認定・専門は分野名まで
- ✕研修修了歴を書き忘れる → 対応できる業務の幅を示す材料を捨てている
- ✕本人希望欄を空欄にする → 「貴院の規定に従います」でよいので必ず埋める
- ✕ブランクの期間を空白のままにする → 何をしていたかを一行添える
現場の視点:書類は配属を決める材料になっている
キャリアアドバイザーとして看護師の転職を支援していると、採用側は書類を合否判断だけでなく配属の検討にも使っていることが分かります。急性期の経験があるならこの病棟、外来経験が長いならこちら、という具合です。だから診療科と病床数を書いておくと、選考の段階で受け入れ先の見当がつき、話が早く進みます。逆に「○○病院 5年」としか書かれていないと、面接で一から聞き直すことになり、その分だけ判断が遅れます。書類は自分を売る道具であると同時に、相手の仕事を減らす道具でもあります。
まとめ|規模と診療科を書けば伝わる
看護師の履歴書で最も効果があるのは、職歴欄に病床数と配属診療科を添えることです。これだけで、どんな環境でどんな患者を見てきたかが伝わります。資格欄は正式名称で、認定・専門・研修修了を漏らさず書く。ブランクがあれば、その間に何をしたかを一行添える。本人希望欄は空欄にせず、勤務条件を明示する。この4つを押さえれば、看護師の履歴書としては十分に通用します。
よくある質問
Q.履歴書に看護師免許の番号は書くべきですか?
A.応募先から指定があった場合に記載してください。指定がなければ、取得年月と「看護師免許」という正式名称で十分です。免許番号は入職手続きの際に原本とあわせて確認されるのが一般的です。
Q.職歴欄に病床数まで書く必要がありますか?
A.書いたほうが有利です。同じ「5年勤務」でも、急性期40床なのか療養100床なのかで経験の中身がまったく違います。採用側は配属先の検討にも使うため、規模と診療科があると判断が早くなります。
Q.証明写真は白衣で撮るべきですか?
A.スーツが無難です。白衣で撮る必要はありません。3か月以内に撮影した、縦40mm×横30mmのものを使用してください。
Q.ブランク期間はどう書けばいいですか?
A.「育児に専念」のように理由を一行で書き、その間に受講した研修があれば添えてください。隠すより、復職に向けて準備してきたことを示すほうが評価されます。
Q.夜勤ができないことは書いたほうがいいですか?
A.書いてください。本人希望欄に勤務条件として明示します。入職後に伝えるとトラブルになりますし、条件を書いて落ちる職場はもともと合わない職場です。

この記事の監修
SHIMA ENAGA現役キャリアアドバイザー/国家資格キャリアコンサルタント
人材紹介会社の現役キャリアアドバイザー。面談約1,000人、書類の添削・作成約800人。国家資格キャリアコンサルタント。得意な分野は20代の未経験転職。接客販売・営業・事務・ITエンジニア・施工管理など。