職務経歴書は様式が自由なぶん、白紙から書こうとすると手が止まります。しかも履歴書と違って決まった型がないので、何をどこまで書けばいいのか判断がつきません。職種別のテンプレートを使えば、その職種で書くべき項目があらかじめ並んでいるので、埋めていくだけで形になります。スマホだけで作成からPDF保存まで完結します。
この記事のポイント
- ✓職務経歴書に決まった様式はない。だからテンプレートを使うのが早い
- ✓職種別テンプレートなら、書くべき項目が最初から並んでいる
- ✓基本構成は「職務要約→職務経歴→活かせるスキル→自己PR」の4つ
- ✓実績は必ず数字で書く。ここが履歴書との一番の違い

職務経歴書が書きにくい理由
履歴書には決まった様式があり、埋める場所が決まっています。職務経歴書にはそれがありません。A4で1〜2枚、という目安があるだけで、構成も見出しも自分で決めることになります。これが手の止まる原因です。逆に言えば、構成さえ決まってしまえば、あとは事実を並べるだけの作業になります。
| 履歴書 | 職務経歴書 | |
|---|---|---|
| 様式 | 決まっている | 自由 |
| 伝えること | 氏名・学歴・職歴などの基本情報 | 業務内容と実績の詳細 |
| 書き方 | 事実を簡潔に | 実績を具体的に、数字で |
| 枚数 | 1枚 | A4で1〜2枚 |
職務要約
経歴の概要を3〜4行で
職務経歴
会社ごとの業務+実績(数字)
活かせる経験・スキル
応募先で使える強み
自己PR
人物像と入社後の貢献
職種別テンプレートを使うと何が変わるか
テンプレートには、その職種で評価される項目があらかじめ入っています。たとえば看護師なら「経験した診療科」「病床規模」「チーム医療での役割」、施工管理なら「担当した工事の種類・規模」「工程・品質・安全管理の範囲」といった具合です。自分で思いつく必要がないので、書き漏らしが減ります。
テンプレートを使う利点
- ✓その職種で書くべき項目が最初から並んでいる(書き漏らしが減る)
- ✓見出しの順番を考えなくていい
- ✓記入例が入っているので、どの粒度で書くかがわかる
- ✓レイアウトが整うので、体裁で減点されない
スマホで作る5ステップ
パソコンは不要です。入力内容はブラウザに保存されるので、途中でやめても続きから再開できます。
- 1
① 職種を選ぶ
自分の職種に近いテンプレートを選びます。ぴったり一致するものがなければ、近いものか汎用(標準)を選んで、項目を書き換えれば問題ありません。
- 2
② 職務要約を書く
冒頭の3〜4行で経歴全体をまとめます。ここは最後に書くほうが楽です。先に下の職務経歴を埋めてから戻ってきてください。
- 3
③ 職務経歴を会社ごとに入力
在籍期間・会社概要・担当業務・実績の順に埋めます。実績には必ず数字を入れます。
- 4
④ 活かせるスキルと自己PRを書く
応募先で使える強みを挙げ、最後に人物像と入社後の貢献をまとめます。手が止まったらAIにたたき台を作らせて、自分の言葉に直します。
- 5
⑤ PDFで保存する
A4のPDFが出力されます。そのままメール添付・応募フォームへのアップロード・コンビニ印刷のいずれにも使えます。

実績は数字で書く
職務経歴書で一番差がつくのがここです。同じ仕事をしていても、数字があるかないかで説得力がまったく変わります。担当した規模・件数・金額・期間・人数・順位のどれかを入れてください。
| 職種 | 数字にしにくいと感じる仕事 | 数字にする例 |
|---|---|---|
| 事務 | 書類作成・データ入力 | 月200件の請求処理を担当、処理時間を3割短縮 |
| 販売・接客 | 接客・レジ | 1日平均40名を接客、個人売上で店舗内2位 |
| 介護 | 身体介護・生活援助 | 入居50名の特養で、10名を担当 |
| 看護師 | 病棟業務 | 急性期40床の内科病棟で、リーダー業務を担当 |
| 施工管理 | 現場管理 | 戸建て20棟の工程・品質管理を同時進行で担当 |
正確な数字がわからない場合
「月20件程度」「およそ50名」のように概算で構いません。大事なのは規模感が伝わることです。ただし、実際より大きく書くのは避けてください。面接で具体的に聞かれたときに答えられなくなります。

スマホ入力を楽にするコツ
職務経歴書は履歴書より入力量が多く、フリック入力だけで全部やろうとすると疲れます。順番を工夫すると負担が減ります。
入力の進め方
- ・先に会社名・在籍期間・職種だけを全部埋める(事実だけなので迷わない)
- ・次に担当業務を箇条書きで足す
- ・実績の数字は、給与明細や社内資料を見ながら別の日にまとめて入れる
- ・職務要約と自己PRは最後。全体が見えてからのほうが書きやすい
- ・音声入力を使うと、長文の下書きが一気に楽になる
枚数と情報量の目安
A4で1〜2枚に収めます。経験社数が多い人でも3枚を超えると読まれにくくなります。全部を同じ濃さで書くのではなく、応募先に関係する経験を厚く、関係の薄い経験は短くまとめてください。
現場の視点:読まれるのは最初の10行
キャリアアドバイザーとして企業に書類を出していると、担当者がまず読むのは冒頭の職務要約と、直近の職務経歴だということがよくわかります。10年前の経験を丁寧に書き込んでも、そこまで読まれないことが多い。だから力を入れるべきは冒頭です。職務要約の3〜4行で「この人は何ができる人か」が伝わるかどうかで、その先を読んでもらえるかが決まります。
転職回数が多い場合
社数が多いと枚数が膨らみます。応募先に近い経験だけを詳しく書き、それ以外は「○○株式会社(2020年4月〜2021年3月/営業)」のように1行でまとめる方法があります。省略ではなく、濃淡をつけるという考え方です。
履歴書とセットで用意する
中途採用では、履歴書と職務経歴書の2点セットで提出を求められるのが一般的です。片方だけ用意して慌てることのないよう、応募が決まった時点で両方作ってしまうのが確実です。どちらも同じ流れで作成でき、内容の食い違いも防げます。
まとめ|構成を借りて、中身を自分で埋める
職務経歴書が書けないのは、文章力の問題ではなく、構成が決まっていないからです。職種別のテンプレートで構成を借りてしまえば、あとは事実と数字を埋める作業になります。冒頭の職務要約に力を入れ、実績には必ず数字を添える。この2つを守れば、A4で1〜2枚の読まれる書類になります。まずはテンプレートを開いて、会社名と在籍期間だけでも入れてみてください。
よくある質問
Q.職務経歴書に決まった様式はありますか?
A.ありません。A4で1〜2枚という目安があるだけで、構成は自由です。だからこそ、職種別のテンプレートで構成を借りると早く仕上がります。
Q.手書きで書く必要はありますか?
A.ありません。職務経歴書はパソコンやスマホでの作成が主流です。企業から手書きの指定があった場合のみ、それに従ってください。
Q.アルバイト経験しかなくても書けますか?
A.書けます。担当した業務、続けた期間、任されるようになったことを整理すれば内容になります。正社員経験がないことを気にするより、やってきたことを具体的に書くほうが評価されます。
Q.職種がテンプレート一覧にありません。
A.近い職種のテンプレートか、汎用(標準)を選んでください。項目名は自由に書き換えられるので、自分の業務に合わせて調整すれば問題ありません。
Q.スマホで作ったものをパソコンで続きから編集できますか?
A.入力内容は使っているブラウザに保存されるため、別の端末には引き継がれません。同じ端末・同じブラウザで続けてください。

この記事の監修
SHIMA ENAGA現役キャリアアドバイザー/国家資格キャリアコンサルタント
人材紹介会社の現役キャリアアドバイザー。面談約1,000人、書類の添削・作成約800人。国家資格キャリアコンサルタント。得意な分野は20代の未経験転職。接客販売・営業・事務・ITエンジニア・施工管理など。